逆流性食道炎•胃食道逆流症の症状
•食後に胸焼けがする、ムカムカする
•朝起きると胃が痛くて吐き気がする
•食べた後に胃液が上がってくる感じがする
•長く続く喉の違和感や咳
このような症状が続き、胃カメラの検査で食道に炎症の見られるものを逆流性食道炎、見られないものを胃食道逆流症と呼びます。
結論から申し上げると、この逆流性食道炎•胃食道逆流症に対して鍼灸治療は高い改善効果があります。
まずはこの逆流性食道炎•胃食道逆流症の西洋医学から見た原因と治療を見ていきましょう。
西洋医学から見た原因と誘発するもの
原因
•胃と食道の間にある下部食道括約筋の緩み
•腹圧の上昇
•胃酸の過剰分泌
•胃の運動の低下
などが原因とされています。
誘発するもの
•肥満
•悪い食生活(脂っこいもの、甘いもの、刺激物、カフェイン)
•食後すぐに横になる習慣
•姿勢不良
•ストレス
などが逆流性食道炎•胃食道逆流症の誘発するものとされています。
西洋医学での治療
食習慣、生活習慣の改善、投薬治療が主で、薬は胃粘膜保護薬、H2ブロッカー、PPI、PCABなどを用います。
食習慣、生活習慣の改善については鍼灸治療を受けていただく上でも大切なことなので、この文章の後半でご説明いたします。
東洋医学から見た原因
逆流性食道炎•胃食道逆流症で出る
•食後に胸焼けがする、ムカムカする
•朝起きると胃が痛くて吐き気がする
•食べた後に胃液が上がってくる感じがする
•長く続く喉の違和感や咳
これらを引き起こす原因は主にこの三種類あります。
①肝気犯胃(かんきはんい)
②脾胃虚弱(ひいきょじゃく)
③飲食積滞(いんしょくせきたい)
ここでも東洋医学用語が出てきましたが、まず一つ目の①肝気犯胃は機能性ディスペプシアの項目でも出てきましたが改めてご説明いたします。
東洋医学から見た肝臓の働きとは?
肝臓は東洋医学の中でも肝心要と言われるぐらい大切な役割を持っています。
役割はいくつかあるのですが、一つ大きな働きを持っており、それが肝は疏泄を主る(かんはそせつをつかさどる)という働きです。
東洋医学の専門用語なのでちょっと取っ付きにくい言葉ですが、簡単にご説明すると、肝臓は全身の気(エネルギー)の流れを調節して、各臓器の働きを調整する作用があります。
そしてこの肝臓の全身の気を調整する作用はストレスで容易におかしくなってしまいます。
続けて東洋医学から見た、胃の働きも見ていきましょう。
東洋医学から見た胃の働きとは?
胃の働きは主に二つ
1.受納(じゅのう)と不熟(ふじゅく)を主る
2.通降(つうこう)をもって和となす
また難しそうな専門用語が出てきましたが、
1.受納と不熟を主るというのは、食べ物を受け止め、ドロドロに消化するという意味です。
2.通降をもって和となすとは、胃で消化した食べ物をスムースに小腸に送れているという意味です。
長々と今回も説明しましたが、つまり東洋医学から見た逆流性食道炎、胃食道逆流症の原因の一つ目はストレスによって肝臓の臓器を調整する作用がおかしくなり、それによって胃をいじめてしまい、胃の働きがおかしくなってしまうことです。これを①肝気犯胃といいます。
脾胃虚弱とは?
②脾胃虚弱(ひいきょじゃく)とは簡単に言うと胃腸虚弱です。
これには脾臓の気虚(エネルギー不足)が関係しています。
飲食積滞(食積)とは?
③飲食積滞とは漢字からイメージはつくかもしれませんが、脂っこかったり、甘いもの、味付けの濃いものを食べすぎたり、もともと②脾胃虚弱で胃腸の消化力が弱い体質の方が、そのキャパを超える量の食べ物を食べたりすることが続くと、胃腸に消化不良物が溜まり、それによって胃の働きが損なわれてしまう状態を言います。
鍼灸治療の優位性
では、東洋医学に基づいた鍼灸治療はなぜ逆流性食道炎•胃食道逆流症に効果的なのでしょうか?
それは西洋医学のお薬では逆流性食道炎•胃食道逆流症で発生している症状を抑えることにフォーカスしますが、東洋医学では患者様一人一人の体質を考慮しつつ、今の身体の状態を、東洋医学に基づいた問診などで丁寧に把握し、身体に起こっている不調を根本的に改善していくことが可能だからです。
①肝気犯胃では、おかしくなった肝臓の気の流れを整え、胃の働きを正常化、
②脾胃虚弱では、エネルギーが不足し、弱っている胃腸を活性化、
③飲食積滞では、胃腸の消化不良物を取り除き、胃の働きを正常化していきます。
ライフスタイルの改善
もちろん鍼灸治療を受けていただく上でも西洋医学の治療を受けられる時と同じく患者様の日常生活を整えていくこともかなり重要になっていきます。
①脂っこいもの、甘いもの、刺激物、カフェインの入った飲み物を避ける
②食べ過ぎず、良く噛んでゆっくり食べる
③玄米や押し麦、雑穀米、野菜、果物をなど食物繊維を積極的に摂る
④適度な運動習慣を身につける
⑤健康的な体重の維持(※BMI22が標準体型です)
⑥禁煙(タバコに含まれるニコチンは胃酸の分泌を促進してしまいます)
⑦姿勢をよく保つ、身体を締め付ける衣服などは着ない
⑧寝る時は左を下に横向きで寝る
⑨食べた後は2〜3時間あけて寝る
⑩すぐ寝る時は晩御飯を少なくする
(夜にいっぱい食べたくなる人は夕方におにぎりなどを少し食べるとドカ食いを防げます)
どれも大切なことですが、この全てを整えていくのは大変かと思います。人によって特に症状を誘発する原因は違ってくるものです。
日常生活を送る上でどんなことをするとその後に症状がきつく出るのか、一緒に探っていきましょう!
毎日の辛い症状、ぜひ当院にご相談ください!お待ちしております。
※BMIとは体重kg÷身長(メートル)の二乗
身長170cm、体重64kgの場合は64÷(1.7×1.7)=22.14…となります。
