機能性ディスペプシア(FD)について

機能性ディスペプシアの症状

食べてすぐに満腹感が出てしまう(早期満腹感)
•胃もたれ

吐き気
•胃の痛み

•みぞおちの不快感、焼けるような感覚

 このような症状が長期的に続き、胃カメラなどの検査などでは異常が発見されないものを西洋医学では近年、機能性ディスペプシアという疾患名で呼んでいます

 結論から申し上げると、この機能性ディスペプシアに対して鍼灸治療は高い改善効果があります。 
 まずはこの機能性ディスペプシアの西洋医学から見た原因と、治療を見ていきましょう。

西洋医学から見た原因

 この機能性ディスペプシアは西洋医学では自律神経の不調、つまり健康な状態だとリラックスした時に胃腸の働きが促進され、うまくいっている食べ物の消化が、主にストレスなどが原因でうまくいかなくなってしまうことが原因とされおり、また幼少期のトラウマが原因となり引き起こされることもあるとも指摘されています

西洋医学での治療

 西洋医学では機能性ディスペプシアからくる症状に、主にアコファイドなどの胃の働きを良くする薬の処方が行われ、合併する胃食道逆流症、過敏性腸症候群の症状に合わせて、それぞれ胃酸の分泌を抑える薬などの処方が行われます。

 しかし、機能性ディスペプシアのような慢性的で、明確な原因の特定ができない疾患に対して西洋医学による治療ではあまり高い効果が期待できないか、かなり長期の療養を余儀なくされてしまうのが現状です。

東洋医学から見た原因

 では、東洋医学から見た機能性ディスペプシアの原因についてご説明していきます。
 機能性ディスペプシアで出る
•食べてすぐ満腹感が出てしまう、(早期満腹感)
•胃もたれ

•吐き気
•胃の痛み
•みぞおちの不快感、焼けるような感覚
 これらを引き起こす身体の状態を

 ①肝気犯胃(かんきはんい)
 肝気犯脾(かんきはんぴ)といいます。

 東洋医学の独特の言い回しなので、初めて聞かれる方がほとんどだと思います。この肝気犯胃、肝気犯脾とはどういった状態なのでしょうか?
 これらの身体の状態を説明するには東洋医学から見た肝臓の働き脾臓の働き胃の働きを説明する必要があります。

東洋医学から見た肝臓の働きとは?

 肝臓は東洋医学の中でも肝心要と言われるぐらい大切な役割を持っています。
 役割はいくつかあるのですが、一つ大きな働きを持っており、それが肝は疏泄を主る(かんはそせつをつかさどる)という働きです。
 東洋医学の専門用語なのでちょっと取っ付きにくい言葉ですが、簡単にご説明すると、肝臓は全身の気(エネルギー)の流れを調節して、各臓器の働きを調整する作用があります。

 そしてこの肝臓の全身の気を調整する作用はストレスで容易におかしくなってしまいます
 続けて東洋医学から見た、脾臓と胃の働きも見ていきましょう。

東洋医学から見た胃と脾臓の働きとは?

 脾臓というとあまり馴染みのない臓器かもしれません、東洋医学から見た脾臓の働きは、脾は運化を主る(ひはうんかをつかさどる)とういう働きがあり、直接的に胃腸の働きを調整しています。
 胃の働き、これはイメージがつきやすと思いますが、飲み込んだ食べ物をドロドロに溶かして、それを腸に送る作用です。

 長々と説明してきましたが、つまり東洋医学から見た機能性ディスペプシアの原因は、ストレスによって肝臓の臓器を調整する働きがおかしくなり、それによって胃腸を調整している脾臓と胃をいじめてしまい、胃腸の働きが悪くなってしまうことです。
 このことを肝臓の気が胃や脾臓を犯すと書いて、①肝気犯胃、②肝気犯脾というんです。

 実はこの肝臓と脾臓、胃腸の働きを正常化させるのに鍼灸治療は極めて効果的です。

鍼灸治療の優位性

 東洋医学に基づいた鍼灸治療はなぜ機能性ディスペプシアに効果的なのでしょうか?
 それは西洋医学のお薬では機能性ディスペプシアとその合併症で発生している症状を抑えることにフォーカスしますが、東洋医学では患者様一人一人の体質を考慮しつつ、今の身体の状態を、東洋医学に基づいた問診などで丁寧に把握し、身体に起こっている不調を根本的に改善していくことが可能だからです。

ライフスタイルの改善

 また機能性ディスペプシアは患者様の日常生活を整えていくこともかなり重要になってきます。

①睡眠時間はたっぷりとる(平日も6〜8時間、寝溜めは最低限に)
②脂っこい食べ物、甘いもの、刺激物を控える
③良く噛んでゆっくり食べる
④適度な運動習慣を身につける
⑤お酒は適量に(日本酒一合、ワインならグラス二杯まで)
⑥完璧主義をやめ、気分を切り替える


 どれも大切なことで、いきなり全てを整えていくのも大変です。出来ることから一つづつ整えていきましょう。

 特にの完璧主義で考え事をずっとしてしまうのも、胃腸を調整している脾臓の働きを弱めてしまいます。
 この考え事を常にしてしまうことを防ぐには主に二つ方法があり、まずは一つ目は没頭できる趣味を見つけること、そうすることで今この一瞬一瞬に集中できる時間ができます。

 二つ目は不安からいろんなことを考えてしまわないように、日々の生活で安心感を得られるようにしていくことが大切です。

 当院では患者様自身が安心感を得られるように、治療以外のこともサポートをさせていただいております、諦めずに一緒に治療を頑張っていきましょう!
 
 機能性ディスペプシアは一般的な西洋医学の治療だと、長くなると寛解までに数年を要する疾患です。
 毎日の辛い症状、一人で悩まずに、ぜひ当院にご相談ください!お待ちしております。


料金•診療時間•アクセス

ご予約•お問い合わせ