鍼治療が効くメカニズム

 鍼治療はなんとなく効くイメージはあるけど、なぜ効くのか?気になりませんか?
 この鍼治療の効果を語る上で『気』『経絡(けいらく)』をまず説明する必要があります。

 まず『気』の説明からですが、旧字体で『氣』とも書き、米という漢字が入っている通り、東洋医学では、生まれた後の人間の体内では主に食べ物の消化と吸収、あとは呼吸によって得られるエネルギーのことを指します。

 次に『経絡(けいらく)』ですが、初めて聞くという方も多いと思います。この経絡ですが、みなさん『ツボ』の存在はなんとなく知っていただいている方も多いと思います。
 みなさんご存知のこのツボ、正式な名前は『経穴(けいけつ)』といい。実は一つ一つ独立しているのではなく経絡を通じて繋がっているんです。例えるなら経穴が電車の駅、経絡がそれをつなぐ線路みたいなイメージです。
 そして実際の電車の線路は都市と都市をつないでいますが、人間の経絡は体内の内臓と内臓、内臓と目や鼻などの器官をつないでいます。そして電車の車両に相当する体内の気がその経絡を通って全身をめぐっています。

 この人間の身体の仕組みが鍼治療を効果的なものにしてくれるんです。
 どういうことかというと、東洋医学では身体の不調は体内の気や血液などの体液がそれぞれの内臓、器官、経絡などで足りなかったり、逆に多すぎたりと分配がうまくいっていなかったり、気や体液のめぐりが悪いことが主な病気の原因となっています。
 つまりこの体内のアンバランスな状態を鍼を使ったツボへの刺激で調整をして、身体を整えることが可能になります。